消費税の住宅貸付に関する課非判定改正と還付時期繰延新制度の施行

従来の住宅貸付の課税・非課税の判断

消費税法では、住宅の貸付けは非課税とされています。ただし、契約において人の居住の用に供することが明らかにされているものに限る、との制約が付加されていました。すなわち、住宅の賃貸契約での用途が、①居住用、②事業用、③用途不明のうち、①該当の場合のみ非課税でした。②と③の場合は課税対象でした。

税制改正

今年の税制改正でこの区分が変わりました。①と②は同じですが、③用途不明のうち貸付状況から居住用であることが明白なものは、①居住用の扱いとして非課税となりました。契約書の表示で課非判断するとしていたものが、実態で課非判断するものと変更になりました。

この改正の施行日は、令和2年4月1日です。適用対象になるのは、この日以後に締結される契約による貸付行為だけではなく、従来の契約に基づく貸付行為であったとしても、この日以後の貸付行為すべてに、新たな判断が求められます。上記の③用途不明の形式を採っていた契約書に係る貸付行為については、要チェックとなりました。

還付時期繰延新制度の施行

この改正条規は、居住用賃貸建物の取得により発生する消費税の仕入税額について、工夫を凝らして控除可能にして仕舞う消費税の還付スキームを退治する措置の中の一部を構成する形で盛り込まれています。

還付スキーム退治の措置本体の内容は、まずは、仕入税額控除の出来る適用年を3年間(それ以前に譲渡してしまう場合にはその譲渡年まで)繰延べ、その繰延べ期間経過後に繰延べ期間中の課税取引実績割合を基とした実体判定により、仕入税額控除の計算を行い、そこで初めて仕入税額控除を認める、というものです。

従来の制度では、仕入税額控除に係る消費税の還付が先になされ、3年後に取り戻されるというものでしたが、改正新制度では、無条件に3年間の還付留保期間が設けられ、還付は3年後になります。

この還付スキーム退治の措置本体は、令和2年10月1日以後の居住用賃貸建物の取得(令和2331日以前の契約に係るものを除く)から適用なので、冒頭の貸付賃料の課非判定に係る改正の適用時期とは相違があります。

まとめ

不動産関連における節税スキームを巡っては、新しい節税対策が現れるたびに、これを規制するための法改正がおこなわれるイタチごっこが続いてきました。今後も法律の抜け道を利用した新しい節税スキームが誕生するかもしれません。今後の動向について要注視です。

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