雑損控除の適用ついて

雑損控除

本人または本人と生計を一にする配偶者その他の親族の有する資産について、災害、盗難、横領によって損害を受けた場合やその災害、盗難、横領に関連してやむを得ない支出(災害関連支出)をした場合には、その年の所得の金額から一定の金額を雑損控除として控除することができます。なお、雑損控除の対象は、災害、盗難、横領に限定されていますので、詐欺による損失については対象ではありません。

対象外資産

生活に通常必要でない資産は、雑損控除の対象から除かれています。

生活に通常必要でない資産とは、

①競争馬その他射こう的行為の手段となる動産

②通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で、主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で所有するものその他主として趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産、ゴルフ会員権等

③生活の用に供する貴金属、書画、こっとうなどの動産で一個または一組の価額が30万円を超えるものをいいます。

控除額

雑損控除として所得金額から控除することができる金額は、次のうちいずれか多い方の金額となります。

①損失金額(損害金額+災害関連支出―保険などにより補てんされる金額)-総所得金額等×10

②損失金額のうち災害関連支出の金額-5万円

損失の金額

損失の金額とは、損害を受けた時の直前におけるその資産の価額(時価)を基にして計算した損害の金額です。

その資産が、家屋等の使用または期間の経過により減価するもの(減価償却資産)である場合には、次に掲げる金額のいずれかを基礎として計算することができます。

①その損失の生じた時の直前における資産の価額(時価)

②その損失の生じた日にその資産の譲渡があったものとみなして譲渡所得の金額の計算をしたときにその資産の取得費とされる金額(簿価)

災害関連支出

災害関連支出とは、損失の金額のうち、災害に直接関連した支出をいい具体的には、災害により滅失した住宅、家財などを取壊したり除去したりするために支出した金額などが該当します。

繰越控除

雑損控除は、他の所得控除より先に控除することになっています。そして、その年中に控除しきれなかった雑損失の金額については、3年間の繰越控除が認められています。

災害減免法

震災、風水害、落雷、火災その他これらに類する災害によって被害を受けた場合には、一定の要件のもとで災害減免法による所得税の減免を受けることもできますが、雑損控除との選択適用とされています。

どちらを選択適用したほうがいいかについては、被害額等にもよりますが、雑損控除は3年間の繰越控除が認められていることから、一般的には雑損控除を選択したほうが有利といわれています。

まとめ

今回は雑損控除の概要に関して、特に重要と思われる点の説明を行いました。

この雑損控除の適用にあたっては、控除対象になるのかなど判断が難しい面があります。

この制度を活用しようと検討する場合には、専門家に相談することをおすすめします。

 

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